社会保険労務士と税理士の業務境界のあり方について 追加編
さて前号に紹介しました全国社会保険労務士会連合会と日本税理士会連合会の間で、この6月6日に『税理士又は税理士法人が行う付随業務の範囲に関する確認書』が調印されました。この過程で若干の解釈について修正がありましたので、皆様に追加してお知らせ致します。
調印された確認書の中の最後の年末調整事務における以下の解釈について、ある程度の明確化されることとなった。
なお、年末調整に関する事務は、税理士法第2条第1項に規定する業務に該当し、社会保険労務士が当該業務を行うことは税理士法第52条(税理士業務の制限)に違反する。
これは全国社会保険労務士連合会と日本税理士会連合会の間の口頭了解事項として以下のように文書確認された。
賃金計算事務の取扱いについて
1,賃金計算事務の取扱いについてはつぎのとおりとすることを全国社会保険労務士会連合会と日本税理士会連合会の間の協議で、口頭了解した。
(1)賃金計算事務は、労働基準法第108条の規定に基づく賃金台帳の調整(労働基準法施行規則第54条第1項第8号に規定する所得税、地方税等の控除額の記入含む。)に必要不可欠な事務であり、社会保険労務士も行うことのできる事務である。
(2)ただし、年末調整の結果行われる法定調書の作成及び提出については、税理士法第2条第1項の業務に該当し、社会保険労務士は年末調整に係る法定調書の作成及び提出をすることはできない。
このような全国社会保険労務士会連合会の解釈しているが、上記の口頭了解の前に、全国社会保険労務士会連合会会長名で調印の2日前の6月4日に、厚生労働省労働基準局・労働保険徴収課長に対して上記のような解釈での見解の確認を実施している。これに対する厚生労働省労働基準局・労働保険徴収課長の回答はそのように解釈して差し支えないとの回答であった。
以上を整理してみると、社会保険労務士は賃金台帳の調整の過程で年末調整事務はできるが、税務官公書へ提出する年末調整の書類作成・提出はできないことになったのである。