本文へスキップ

お客様の成功と繁栄をともによろこびあえることをめざします

TEL. 087-862-5268

〒760-0080 香川県高松市木太町3204-4


業務の館 
  労災保険・雇用保険の部屋


雇用保険手続きの現場から


  さて雇用保険被保険者資格取得届の手続が審査終了すれば、事業主用の資格確認通知書なども発行されます。これまでマイナンバーを届け出ると、これら事業主用の資格確認通知書などの書類の左上あたりに「個人番号登録あり」という文言が入力されており、社労士にとってはこの表示がなされた被保険者の以後の手続(資格喪失届が多いが・・・)において、マイナンバーの入力省略が可能となり、かつ「マイナンバー登録済み」などの文言を備考欄に入力して業務にあたっていました。

  ところが公共職業安定所では、マイナンバーと該当する被保険者の雇用保険被保険者番号(4桁−6桁-1桁の番号)と正常に結びついていると思われるところ、実はその検証は公共職業安定所では行われておらず、届け出た雇用保険被保険者番号ではなく、すでに別の雇用保険被保険者番号とマイナンバーと結びついていた場合、届け出た雇用保険被保険者番号へのマイナンバーの結びつけは、マイナンバーの二重登録防止のために行われないままなのです。といってもこの場合でも「個人番号登録あり」という文言が入力されており、日本年金機構の手続のように違っていたら受付されず差戻ということもないので、社労士にとっても確認のしようがなかったというのが実態でした。


  そして令和7年1月20日から、離職票について離職者のマイナポータルに直接送付するサービスが開始されたのを機会に、事業主用の資格確認通知書などの書類の左上あたりに「個人番号登録あり」という文言が入力されなくなりました。これにより各種書類上からは、雇用保険被保険者番号とマイナンバーと正常に結びついているかどうかの検証すらできなくなりました。

  少なくとも雇用保険被保険者番号とマイナンバーと正常に結びつけるためには、入社時の雇用保険被保険者番号確認の時に、マイナンバーと正常に結びついている雇用保険被保険者番号情報の入手が要必見となります。結びついてない事例としては、

  イ.平成27年12月31日以前に雇用保険被保険者資格取得している場合

  ロ.資格取得届にマイナンバーを記載いただいた場合でも前職の被保険者番号が未届となっていたようなケース
 
があげられますが、イの場合で前職を退職すれば、資格喪失届のときには基本的にマイナンバーを届出していると思われるので、その時の雇用保険被保険者番号であれば、まず正常に手続きできるものと思われます。


  最近行政関係者からの情報によると、資格取得届の手続において、取得区分が再取得であって、それが確実である場合には、記載されているマイナンバーを活用して前職の雇用保険被保険者番号を検索して、その雇用保険被保険者番号で資格取得する運用に令和6年12月から変更しているそうです。この運用により再取得に限られますが雇用保険被保険者番号とマイナンバーと正常に結びついている確率が高まるものと思われます。

  それでは雇用保険の手続において、雇用保険被保険者番号とマイナンバーを利用しているのだから、日本年金機構の手続のようにマイナンバー1本での運用にならないのかという方もおられるかと思います。これについては雇用保険被保険者資格取得届においては、被保険者住所は入力の対象となっていないので、雇用保険システムには被保険者住所は登録されていないことから、被保険者の住所情報はマイナンバーと結びついて初めて分かるという、しかもこれまで雇用保険被保険者番号とマイナンバーとの結びつきもまたまだ発展途上という諸事情もあり、マイナンバー1本での運用になるのは当面先の模様です。

  ただ雇用保険被保険者資格喪失届の手続では、マイナンバーも被保険者住所も入力しなければならないので、ここで雇用保険被保険者番号と住所情報が結びつきますが、資格喪失なので離職票→受給資格者証→基本手当などの受給で終了となり、少なくとも次の雇用保険被保険者資格取得届への住所情報の引継とならない?ようです。 しかも被保険者資格喪失後、7年間再就職等な雇用保険被保険者番号が利用されない場合、例えば8年後に再就職したら新規扱いとなり、改めて新しい雇用保険被保険者番号を付与するという事になっていて、余計に複雑怪奇な状態になっているのも事実です。


ナビゲーション

copyright©2012社会保険労務士溝上久男事務所  all rights reserved.