通勤災害おもしろ話2
2,通勤時の話題あれこれ・・・
さてここではよく問い合わせのあったのは、労働者が会社に届け出のしている経路及び手段と異なる方法で通勤している時に負傷したときに労災保険が適用になりますか・・・という質問が意外に多かった。これは自宅と会社との間の通常の方向性や経路、所要時間、出勤時間から判断してかけ離れておらず、また途中相当の逸脱がない場合には、例えば通常はJRで通勤する労働者が乗用車で通勤しても労災保険の適用はなるわけである。
但し会社が企業秩序において届出と違う方法できたことに対して、ペナルティを課すのは別な問題であって、それをもってしても労災保険を会社が適用しないのは重大な誤りである。当然これらのペナルティを課すには就業規則にそれが発動できる条文が整備されていなければ、罪刑法定主義(定めがないと罰することができない)の観点からそれすらできない点注意が必要である。
それと子供を保育所や幼稚園に送っておいて通勤される方も結構おられることと思いますが、例えば自宅から会社まで三角形の底辺を進めばいけるのに、保育所へ送るために頂点にいってから会社へ行く場合に保育所へ送る途中に負傷した場合は、ここでは通勤の経路ははずれておりますが労災保険の適用になります。
では営業職などで会社の事務所によらずに顧客のところへ自宅から直行する場合はどうなるのかというと、一番目に行く顧客先までの課程が通勤とされそれ以後は業務上となります。
通勤途中で人助けを行っている途中負傷した場合には、原則としてとっさの判断で反射的に行動した場合やそこを通行しなければ通勤できないのに車が立ち往生している車を助けている時に負傷したケースなどやや通勤災害として認められるのは微妙なところであります。原則として労災保険では私的行為として労災としない場合がほとんどです。
最後にではいったい通勤はどこまでがそれに当たるのかである。通常勤務は会社に入ってからタイムカードを押してからが普通考えがちでしょう。しかし会社の敷地が広いところでは、公道から会社の建物の入り口や自分の職場まで距離がある場合にはどうなるのでしょうか? 労災保険では会社に勤務する意思があった上で、公道から会社の門をくぐって会社の敷地に入った時点が通勤の終了とされます。それ以後はまだ自分の職場に着いていなくてもそれは業務上の災害として取り扱われます。
事 例 紹 介 2
今回は建設業独特な例でこれもある会社から労働保険相談員の職務中に紹介があって頭を悩ませた事例であった。
自宅→@徒歩→集合場所/待ち合わせて乗車 同時に複数乗車→→→A会社手配のマイクロバス→→→集合場所
この事例は下請けの建設会社が元請け会社の建設現場の送迎をしており、労働者は会社の指定した場所と時間に行きここから会社手配のマイクロバスに乗車するという通勤をしていた。負傷当日は@のところで負傷され、下請け建設会社から通勤災害か業務上災害になるかの相談があった。
ここでのポイントはいわゆるどこからが事業主の支配が及ぶのかが焦点となる。通常通勤はここでは建設現場へ直接行っているのでこの現場までが通勤である。しかしここでは事業主がマイクロバスを仕立ててそれに指定した場所で指定時間に集合場所に集まるように指示をしているので、このような場合は上の集合場所から事業主の支配が及ぶのでここからが労災保険では業務上の扱いになる。
ということは集合場所まではたしかに終業する意思で自宅を出発していて負傷しているから、この間については通勤災害扱いとなり、本件は通勤災害として判断いたしました。そして建設業の場合はそれでは下請け会社の労災を使うのか、元請け会社の労災を使うのかがクローズアップされてきます。ここでは明らかに元請け会社の工事現場に向かっているので元請け会社の労災保険が適用となります。