国民年金保険料の滞納対策と免除申請
今回は国民年金保険料の滞納処理の現状について見ていきます。さて日本年金機構では国民年金保険料徴収率向上や公平性の見地から、これまでは年収200万円以上かつ13ヶ月以上の滞納者が滞納対策の対象でしたが、今後は滞納者全員にビシバシ実施する予定です。では最初に滞納処理の流れを簡単に紹介すると、以下の順番で実施されます。
1,納付督促
日本年金機構が民間委託した業者による電話や文書による督促。
2,最終催告書
年金事務所からの督促。自主的納付の最終段階。納付期限の前に年金事務所に電話連絡や来所を別日程で促している。
3,催促状
差し押さえ前の法定通知。
4,差押予告
差押処置に着手したことの予告。
5,財産差押
滞納者の財産差押の実施。いわゆる強制執行で国税滞納処理と同じように実施される。
それと国民年金法第88条には・・・、
1 被保険者は、保険料を納付しなければならない。
2 世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。
3 配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。
というように連帯責任があります。これが滞納処理及び保険料免除に大きな影響を与えております。例えば親子が同一世帯にいる場合に、子が上記のような国民年金保険料滞納をすれば、まず子に納付督促がなされますが、最終督促書送付のあとでは、世帯主である親に督促状が発送され、親の財産がしっかり財産差押されてしまいます。
滞納者の中には、免除申請に該当すれば申請を行えば何事も無かったというケースもあります。では免除の種類は以下の通りです。
1,全額免除
2,一部免除(3/4免除、1/2免除、1/4免除)
3,若年者納付猶予
20歳以上30歳未満の被保険者に適用。猶予なのでそのままだと 年金額には反映しない。
4,学生納付特例
大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、専修学校及び各種学校在学中において適用。
以上は必ず住所地の市区町村国民年金担当窓口での手続が必要です。 免除のサイクルは毎年7月から翌年6月までとなっており、該当する時期に行う必要があります。但し毎年7月中の手続は前年サイクルと当年サイクルの前後の免除申請が可能です。
そして国民年金の所得要件審査が少々変わっており、以下のようになっております。
上記1と2の場合 本人、配偶者、世帯主の所得のいずれもが免除対象基準であること。
上記3の場合 本人・配偶者の所得のいずれもが免除対象基準であること。
上記4の場合 本人の所得が免除対象基準であること。
会社を退職された場合/特例・・・保険料納付免除 世帯主・配偶者の所得いずれもが免除対象基準であること。
その他の所得要件については次以後お話をすすめていきたいと思っております。