年金制度の改正について パート2
さて今回も前号に引き続いて、昨年成立した社会保障と税の一体改革関連の4つの法律についてご案内します。ただ民主党政権下で成立しているので、今後方向が変わるかもしれません。
5,平成27年10月1日施行
老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金、寡婦年金、これらに準じる旧法老齢年金については、現在受給するのに必要な期間は25年ですが、これが10年に短縮されます。
公務員及び私学教職員(現在共済年金加入者)も厚生年金に加入することになります。共済年金は厚生年金よりも優遇された制度になっていますが、これらもなくなります。
厚生年金、共済年金それぞれ保険料率が異なっており、各制度において引き上げスケジュールが決まっています。これを厚生年金は平成29年度、公務員は平成30年度、私学教職員は平成39年度に、18.3パーセントに保険料率が統合されます。
共済年金には厚生年金にはない現在職域加算部分の制度があり、これを廃止されます。廃止後の新制度については別途法律で定められます。
住民税が家族全員非課税で、前年の年金収入、その他の所得、の合計額が老齢基礎年金満額(77万円)以下の老齢基礎年金受給者に、老齢年金生活者支援給付金を支給されます。
支給額 5,000円(月額)×保険料納付済月数/480免除期間は老齢基礎年金の1/6相当を基本とする支給
一定の障害基礎年金又は遺族基礎年金受給者に、障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金が支給されます。
支給額 5,000円(月額) 1級障害基礎年金受給者は6,250円(月額)
これら年金生活者支援給付金の支払い事務は日本年金機構に委任、年金と同様2ヶ月毎の支給となります。
5,平成28年10月1日施行
現在おおむね1週30時間以上の労働時間の労働者は適用されていますが、以下の短時間労働者 にも厚生年金・健康保険の適用拡大されます。但し平成28年10月1日以後3年以内に検討を 加えて、必要な処置(法案改正など)が講じられることになります。
1,1週20時間以上
2,月額8.8万円以上 年収106万円以上
3,1年以上の勤務期間
4,学生は対象外
5,従業員501人以上の企業