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昭和編7 昭和36年10月号
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今回は昭和36年10月号を紹介します。この号は昭和30年代前半の国鉄の整備計画の集大成ともいえる白紙ダイヤ改正号となっている。白紙ダイヤ改正とは、一旦現行の列車ダイヤを白紙にして、改めて全面的にダイヤを作っていく改正のことである。ともかくこれまで9往復しかなかった特急が一挙に26往復の運転となり四国以外の主要幹線で運転されるようになったことである。これとて東海道線及び東京・大阪から宇野までの特急が電車、九州客車寝台特急以外は、この改正で新規落成したキハ80系気動車特急なのである。またその他の急行・準急も電車・気動車で大増発されており、地方都市でもかなり拡充されている。
この時の電化区間の状態は、主要幹線については東京から東海道、山陽本線(糸崎・小郡《現在の新山口》は除く)、鹿児島本線(門司港・久留米間)、宇野線、東北本線(東京・黒磯間)、高崎線、上越線、中央本線(東京・甲府間)、常磐線(日暮里・勝田間)、北陸本線(田村・敦賀間)であり、後は東京・大阪近郊の国電区間、戦時中の私鉄を買収した区間(例示・・・飯田線、仙石線、宇部線)程度なのであった。
前号(昭和33年11月号)のこのコーナーとの大きな違いは、昭和35年7月から東海道本線特急の「つばめ」「はと」が客車から電車化されたのに伴い1等展望車が消滅し、これにより1等がなくなったことで、従来の2等及び3等が格上げされ1等及び2等になったことである。これにより明治以来の3等制がなくなったのである。そして2等と1等運賃の格差は2倍 特急・急行などの料金については2倍から2.5倍程度に収まっている。
ここで当時の時刻表で高松から東京までの旅をしてみよう。行きは高松発1515分の宇高連絡船・鷲羽(わしゅう)丸に乗船、宇野には1620分着。今回は2等寝台上段を確保しているので、マラソン桟橋の異名のある乗り換え通路を走らなくてもよい。宇野からは東京行き夜行急行「瀬戸」が11両編成で停車しており食堂車の隣5号車に乗車する。しかしまだ寝台はセットされていないので下段の片側3人席に座ることになる。1635分宇野出発し、岡山で前に2等座席車を2両増結となる。さて姫路出発したあたりで19時となったので隣6号車の食堂車へ行く。メニューをめくったがやはり値が張るので、カレーライスと食後のコーヒーを注文する。明石付近の瀬戸内海を眺めながらちょっと贅沢な食堂車体験を楽しみつつ西へと進んでいく。そして会計はカレーライスが100円 コーヒーが50円だった。大阪を過ぎる20時頃に給仕が寝台のセットに取りかかりに回ってきた。寝台の使用時間は21時からとなっていたためである。大船を過ぎた頃に起きて洗面や身支度をして、東京には650分に到着した。高松・東京間2等運賃は1,530円、急行料金は300円、2等寝台上段(一番安い!)料金は600円で締めて2,430円の運賃・料金である。
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