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  鉄道ざっくばらん


昭和編3 昭和19年第5号


 時刻表から見た日本の目次にもどる

 今回は大東亜戦争中の昭和19年第5号であるが、この年から毎月発行されなくなり、この号も11月号とされている。なお本号が終戦までの全国全駅前列車掲載時刻表の最後となる。B5判55銭だが戦時色濃い内容となっており広告が一切なくなって、また運賃料金案内も極度に押さえられている。その反面旅行防空心得とか決戦生活訓などの掲載が幅をきかしている。


 例えは決戦生活訓を抜粋すると・・・、
   
   進め一億火の玉だ 決戦生活訓

       一,強くあれ、必勝の信念をもつて職域を守れ
       二,家庭も戦陣、生活を挙げて御奉公の誠をつくせ
       三,国土防衛は協力一致、隣組の力で持場を固めよ
       四,流言に惑ふな、当局の指示を信頼して行動せよ
       五,国運を賭しての戦だ、沈着平静、最後まで頑張れ
            ※原文は縦書き、一部漢字は現代の漢字にしています。

という風である。


 時刻表からの列車状況は寝台車・食堂車・1等車・特別急行が全廃されており、急行も東海道・山陽・鹿児島本線に5往復が残るのみである。後は主要線区といえども長距離普通列車が中心で、夜行は快速運転になっている次第である。当然2等車連結列車もかなり限定されている。当時の青函・稚泊・関釜・博多釜山の省線連絡船の時刻は防衛上のため掲載されていないのである。これらは旅客輸送より貨物輸送の方が重要とされていたのである。それは当時の船舶不足が影響しだし、国内輸送は鉄道輸送に移行されていた。

 例えば東京・博多直通列車は急行が1往復で約26時間、普通も1本のみ約32時間も要するようになってしまい、大正初期のレベルになってしまう。東北・北海道方面になると、特に東北本線の状況が悪化しており上野・青森間の唯一の急行が当分の間運休となり、直通夜行普通列車が主要列車となっている。北海道は函館・稚内間の急行が唯一運転されている。これは稚泊航路を介しての樺太連絡のために重要視されていたのである。ちなみに上野・稚内間は45時間要するのである。 

 最後に四国関係を見ていくと宇高連絡船は11往復、宇野からの大阪方面直通列車は普通のみ上下合計5本である。予讃本線は八幡浜・卯之町間が未開通(開通は昭和20年6月)で、土讃線は須崎の西の土佐久礼まで、徳島方面は牟岐まで開通している。例えば高松から高知県・中村まで行くのにどれくらいかかるか調べると、高松桟橋を550分に出発、高知は1121分、土佐久礼には1309分に到着する。ここからバスに乗り換えて1320分出発し、中村には1745分に到着で11時間55分も要するのである



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