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  鉄道ざっくばらん


昭和編1 昭和9年12月号


 時刻表から見た日本の目次にもどる

 今回は昭和9年12月号をみてみよう。この月から東海道本線の熱海・沼津間に丹那トンネル開通、山陽本線麻里布(現岩国)・徳山間の短絡ルート(現岩徳線)開通、長崎本線肥前山口・諫早有明海沿いルート全通と主要路線の変化が多かった。時刻表のサイズは縦22.6センチ横20.9センチの25銭である。内容の方も国内の観光地などのグラビア写真や朝鮮・満州・樺太の写真、各地の宿泊地案内広告などかなり充実している。


 この時代の寝台車・食堂車の様子を少し紹介すると、寝台車は2等が中心でここでようやく3段の3等寝台が登場する。1等寝台連結列車数は3列車、2等寝台連結列車数は40列車、3等寝台連結列車数は23列車である。これらは1列車当たり各等級1両ずつがほとんどで、東海道・山陽本線の特急・急行のみ複数車両連結されている程度である。また稚内・大泊(現サハリン・コルサコフ)、青函、下関・釜山の各連絡船には1・2等寝台が設置されていた。当時1・2等寝台車船室利用客にはねまきを希望すれば有料で貸し出されていたようである。食堂車の方は洋食・和食タイプに分かれていて、それぞれ連結している列車数は4列車・29列車と圧倒的に和食営業者が多い。値段も定食物で洋食は和食のほぼ倍の値段かかっていて贅沢品だったようだ。 


 そして航空路線の時刻表が見られるようになる。路線は東京(羽田)・名古屋・大阪・福岡間に日に2往復、東京・下田・清水間週3便、大阪・高松・松山間日に1往復ある。また福岡から朝鮮・満州大連まで週6便さえもあった。ところで所要時間例は東京・福岡間は名古屋・大阪寄港して6時間半、大阪・高松間は1時間10分である。飛行機に乗るにはまず市中の営業所で手続きをしてから無料バスで飛行場まで移動して搭乗する。荷物は詰める範囲ではあるが10キロまでは手荷物は無料で運ぶことになっていて、それ以上は1キロ当たりの追加料金方式であった。そして目的地に着いてからは市内営業所まで無料バスで送迎するスタイルである。高松の飛行場は海岸沿いにあり、水上飛行機を引き上げる設備がある格納庫が飛行場であった。また羽田空港はごく短い滑走路があったようである。


 広告の方に目をやると、朝鮮総督府鉄道局のがあり観光地案内があった。それをみると、慶州・京城(ソウル)、今は北朝鮮にある平壌・開城や朝鮮の名山の1つ金剛山の地名が掲載されていた。 また東京・京都の定期観光バスの案内が1ページ使っての広告があり、20人程度の大型展望車バスで婦人案内人付きのこういうバスですと強調している。当時相当悪質な業者が多かったものと思われる。出発時間と場所・料金は当然記載されているが、現役軍人割引という項目があるのは時代を反映している。



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