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シベリア鉄道ぶらりひとり旅 1995.8.24〜9.6
07 特急バイカル号 1日目 8.31


 さて1995年8月31日はロシアに入国して7日目になるが、この日の朝はあらかじめ手配しておいた送迎(有料)をうけるためチェックアウトした後にフロントに集合してみると、私の他にはなんと東京から来た日本人だけであった。この方とはモスクワまで同乗することとなるのである。ホテルのマイクロバスでイルクーツク駅に程良い時間に着き、それぞれ指定の車両へ乗車した。このバイカル号はこのイルクーツクが始発の5月から9月までの季節運転の列車で、ふだんロシアの鉄道車両はグリーンが多い中この列車は塗装がバイカル湖に敬意を表してか異様に青かった。バイカル号は定刻の7時53分(現地時間・日本との時差なし)に出発し、これからモスクワまでの5,191`3泊4日の長い鉄道の旅が始まった。


 さて駅まで一緒に来た日本人旅行者は別な車両が割り当てられていたので別れた。私は6号車の9番でここも幸運なことに下段だった。同室のメートはロシア海軍の若手のエリート軍人と一風変わった訳のわからんロシア人であった。室内はロシア号よりグレードが上のようで、最近にしては珍しく飲み物が備え付けられていた。やがて車掌が来て切符を預けて、シーツを持ってきたのである。ロシア号よりかは若干安く7,500ルーブル支払った。この車掌は若い女性でしかも英語が通じるが、私は英語を介せないのであんちょこロシア語で通してしまった。やがてもよおしてきたのでトイレに行ってみたが、ロシア号には無かったトイレットペー
パー,石鹸,ペーパータオルがあったのには驚いてしまった。以後もきちんと管理されていたので、この辺の管理は車掌のレベル次第なのかもしれない。しかしトイレの衛生レベルは日本と同じとは行かないと思う。そのあたりはある程度割り切らなければならない。ちなみに列車トイレの使用中の表示はドアーの小さな窓に「С」の表示があれば使用可能で、「З」であれば使用中なのである。そして部屋に帰るまでの間他の部屋の様子をうかがってみると、どうも定員の半分も乗ってないようでがらがらに近い状態みたいであった。



 さてモスクワ到着は3日後の9月3日1530分なので時間は余り余るほどあるわけで、こうした時間をのんび〜りと有意義に過ごさないと気が滅入ってしまいそうである。そうこうしている内にわけの分からないロシア人は他の部屋に行ってしまったが、先ほどまで一緒にいた日本人旅行者がやってきた。この方は本橋晋さんといい東京在住のほぼ私と同い年で気があったのか、今現在も交流があるほどである。そして私はついでに、こっちの部屋に来れるよう車掌と交渉したらと言ってみて、実際違う車両にも関わらず許可が下りたのでルームメートになった。実はロシアでは席に余裕があれば、相手の部屋の乗客の同意と車掌の許可があれば可能で、日常から結構やっているようである。ところで違う車両同士だと、両方の車両の車掌とこの列車の列車長の許可があれば可能だと何かの本に書いていたが、本当にやってしまって実現したのにはわれながら大胆不敵だと感じてしまった。


 これから先は、本橋さんは英語・ロシア語とも私より達者なので二人で海軍エリート軍人といろいろ会話をすることになる。ちなみにこの軍人は英語も解する方であり、会話した内容を少し紹介する事にしましょう。まず切符代の話をしたが、この軍人さんはイルクーツク・モスクワ間25万ルーブル(当時日本で5千円)と答えた。ロシア号の乗客ジェーニヤさんはウラジオストック・モスクワ間100万ルーブル(日本円で1万円)だったので距離の割には安くなっている。本人の話では「軍において特別割引で買えるようになっている」とのことである。ではお前はどうかっていうと、ウラジオストック・イルクーツク間が62万1600ルーブル(日本円で1万2432円)、イルクーツク・モスクワ間が79万2900ルーブル(日本円で1万5858円)であり、実際に旅行会社から請求額は5万2千円であった。はてこの2つの差額はマージンだが結構取っていることが分かるのであり、いかに外国人はぼったくっているのかがわかる。この軍人の料金は私の1/3で私とひとときを過ごしているのが腹立たしいがどうしょうもないことでもある。次にモスクビチ(ロシア国産の乗用車)はいくらするか質問してみたら、4千万ルーブル(日本円で80万円)と答えられた。まあこっちにしてみれば軽乗用車程度の金額だが、御当地では天文学的金額のはずである。


 外の風景は白樺やその他針葉樹林の単調な風景がほとんどである。この車両のもう1人の車掌は男の車掌(シベリア鉄道では少数派)で、どうもどっちかの兄弟か親戚かどっちか分からないが高校生か中学生ぐらいの変なガキがいてこれがモスクワまでしっかりとまとわりつかれて、今後さんざんな目に遭うのであった。このような調子で1日が過ぎるのではあるが、ロシア式ホームステイと言えば聞こえはいい。しかしロシア号の時よりもわけ分からない状態でクールな人間関係には参ってしまうのである。


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