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シベリア鉄道ぶらりひとり旅 1995.8.24〜9.6
03 特急ロシア号 1日目 8.27


 さて深夜11時半に朝預けていたトランクを駅の荷物預かり所(24時間営業)まで取りに行ってからホームへ行った。そして11時55分に列車がホームに入線してきて、ついにあこがれのシベリア鉄道モスクワ行き特急「ロシア」号の乗車の時が来たのであった。私の寝台は9号車9番であり、乗車タラップ(ホームが低い)の前にでっぷりと太ったおばさん車掌がいて、切符を提示してから乗車するのである。乗車した車両は2等寝台で4人1室のコンパートメントであり、私の寝台は9番で下段だった。ただ日本の寝台室のように明るくはなく、明かりがつけられるのはベットのたもとの分だけで若干暗かった。出発時刻の0時55分までにはまだ時間があったので車両編成を外から眺めたが、レールゲージが1524ミリでホームの高さが低いので、車体が大きく見えてしまうのであった。号車表示は車掌室の窓に掲示されており、行き先表示板は車両の真ん中付近にМосква−Владивостокと行き先が、また列車名も記されており、そしてそのあたりにはロシアの国旗がペイントしていた。深夜にも関わらずホームは人混みで騒然としており、出発時刻も近づいたので列車に乗車した。決して出発ベルや構内放送などはないので自分で注意するしかないのである。そして0時55分定刻通り出発して、ひとまず3泊4日イルクーツクへとレールの響きと共に旅立ったのである。


 さて定刻通りにロシア号は出発し、私のコンパートメントの友は、モルドバ人の恰幅の良い60歳前後のバーニアとウクライナ人の35歳ぐらいのジェーニヤの3人となり、ひとまずたどたどしいロシア語で挨拶をした。そうこうしているうちに車掌が来たが、ロシアの車掌はおばさん車掌が多いと聞いていたが案の定その通りとなってしまった。切符を回収されそしてシーツ・カバーの配布があり、シーツ・カバーはサービスではなくて有料で1万ルーブル支払った。すでに深夜1時半を回っていたので、部屋のロックをして皆さん眠ってしまった。翌朝8時頃目覚めて洗顔をして、そしてトイレに入っているうちに車掌さんが「スタンツィヤ《駅》」といってノックされた。ロシアでは駅に停車中はトイレは使用停止にするため鍵を閉めることになっているのです。その訳はトイレが一応水洗にはなっているものの、実は垂れ流しで流したときに枕木が見えるのです。あっそうそうロシアの鉄道旅行には、トイレットペーパーは持参して下さい。原則として用意されてませんので・・・。



 
列車はちょうど対中国国境近くを北東に向かって走っており、ロシアの列車は日本とは反対の右側走行であった。ここで8号車の乗客の様子が少しながら分かってきたが、外国人はなんと私だけのようであり、大半はロシア人か旧ソ連邦構成共和国の国民であった。しかも家族連れか夏休みに故郷に帰っていた人たちなので、案外と静かであった。てなものでしっかりと目立ってしまった。朝食は同室のメートと一緒に、それぞれ買い込んでいた食べ物で済ませた。実はロシアでは大半の乗客は乗車日数分の食料は予め用意しているようで、食堂車もあるのだが「高い」と言ってほとんど利用しないのである。私も1回は食堂車へ行きたかったが、こんな調子なので最後までいけなかった。この朝は黒パンとコーヒと一品であった。 コーヒのお湯はどこから手配したのかというと、各車両に1台サモワールという湯沸かし器があって常時わいているので、コーヒだけでなくインスタント食品を持っていけば食べられるのである。


 
どこまで行っても単調なのどかな風景で、北海道の農村を少しスケールを大きくしたような感じでたんたんと走ってゆくといった感じであった。このような調子なのであまりある時間を優雅に楽しむという、こせこせした日本では体験できない空間を味わっていた。昼過ぎのハバロフスクまでは町らしき町はなかった。ハバロフスク人口60万人ではウラジオストックと並ぶロシア極東の大都市でアムール川とウスリー川との合流点である。川幅は関門海峡の幅以上にあり、ウスリー川の中州ダマンスキー島では1969年には中国との国境紛争があったところで国境の最前線の町でもある。ここからシベリア鉄道も北東から西へと進行方向が変わり、アムー
ル川を渡ることになる。この鉄橋は単線で2.5`あり1916年に完成したのである。

 シベリアの田舎の駅の間をほぼ2〜3時間走っては10〜15分停車するので、列車が停車するとホームに繰り出す。すると農家のおばさんが自家製の食べ物などを立ち売りしているのである。例えばピロシキは肉が入ってなく変わりにジャガイモが入っているが、これが意外と素朴で美味しかった。値段は1個2千ルーブル(当時のレートで40円)であった。また無調整・無添加の牛乳1gが4千ルーブルでまあ大変安かった。ただあまり保存がきかないところが難点だが・・・。そうこうするうちに1日がすぎてしまって、夜10時になってやっと暗くなっていき、そして寝る前に時計の針を1時間戻して寝るのであった。シベリアの1日は24時間でなくて25時間の世界なのであった。


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